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折れ竿修理 実践編1
折れ竿修理 実践編2
 

折れ竿修理 実践編1
補修条件
 ・補強材以外は、破損素材を再利用する。
 ・補修用補強素材はカーボン。
トップガイドと2番ガイドの間で破断
よくあるケースですが、
最も難しいのがこの竿先の接ぎです。バット付近の接ぎは楽勝です。接ぎの部分が細くなるほど難しいと感じています。
 但し、竿先を別のものを流用する場合は、2番ガイドを外し、そこで接ぐという方法があります。この場合は接いだ後、その上にガイドを取り付けスレッドを巻くことでその部分を隠すと同時に補強します。

 下の図の補修構造が基本形になります。
この場合、インナーはパイプではなくロッド(棒)を使用します。(釣具屋で購入できます)インナーを差し込み、かつアウターパイプで補強します。
補修用のアウターパイプは素姓のいいカーボン素材を使います。高級釣り竿の破損パイプを釣具屋で入手します。アウターパイプは内径、外形が同心円で厚さが薄く、カーボン繊維を周方向にも巻いてあるものが割れにくくベターです。インナーの場合は、カーボン繊維は軸方向のみでも問題はありません。

 ロッドの破断面は割れ、ひび割れが無くなるところまでカッターやヤスリで注意してカットします。そして、ヤスリ、サンドペーパーで平らにきれいに仕上げます。
このロッドの破断部には長手方向にカーボンが剥離していることがありますが、割れ、ひび割れがなければそのままにします。

 長手方向に表面が欠けている部分は、使用時の応力集中を避けるために、カーボン繊維で補強し強度バランスをとります。

欠けに合わせてカーボン繊維を束ね、先端をハサミで補強部の形状に大体合うよう整えます。ハサミで成形する前の実物はこんな感じです。

予めエポキシ接着剤を塗布したカーボン繊維を爪楊枝等で、形を整えながら貼り付けていきます。エポキシ接着剤はできるだけ少ない量で行います。カーボン繊維に染み込ませにくい場合は、ドライヤーで温めるとよいでしょう。

カーボン繊維を貼り付け、硬化したところです。

 はみ出した部分は、カッターナイフで切り落とし、表面をサンドペーパーで整えます。

 破断部を外側から補強するアウターパイプを加工します。整形した破断部の外形より若干内径の小さなパイプを選定し、ドリルの刃や極細丸ヤスリで少しずつ内径を広げていきます。工具は腕時計修理用のものが便利です。

 中、上級編ではアウターパイプを電動ドライバのチャックで掴み、回転させながら肉厚を0.4mm以下まで外径を均一に削っていきます。

 アウターパイプの質量は、・・・計測不能でした。0.1g以下ということです。

 ちなみにトップの質量は0.3gでした。

インナーは破断部内径よりわずかに太いφ1.0mmのカーボンソリッドを用いました。
 、サンドペーパーで削りながら径を合わせていきます。差し込むのに力が必要な程度に削ります。削りすぎて緩くならないよう注意します。



 インナーにエポキシ接着剤を塗布したところです。気泡を作らないように注意して塗布します。

 インナーを竿先側に差し込んだところです。

 インナー、アウターの接着、硬化が完了したところです。
エポキシ接着剤は8時間硬化タイプを使用しましたが、3日間硬化期間をとりました。
アウターパイプの表面に周方向のカーボン繊維の縞が見えています。

 回転させながら、アウターの外形を削り込み、細くしていきます。

 #240、#320のサンドペーパーで荒削りをします。

 #1000、#2000のサンドペーパーで表面研磨します。
アウターパイプの端は、中央部よりわずかに細く仕上げます。

表面の研磨仕上げが終わったところです。

2液性ウレタンで塗装しました。作業完了です。
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